正論をいう無職

有職になった

1分でわかる『いきなりドラマを面白くするシナリオ錬金術』




【1分でわかる】

・イントロダクション
欠点や弱点を直すのではなく、楽しく書きましょう。


1. キャラクター養成講座

・嘘つきは達人の始まりの術
「いそうにない人」はフツーの人のクセやこだわりを極端化して。

・人の弱みにつけこんじゃえの術

「自分と同じ」弱い性格で感情移入しやすくさせる。

・怠け者は発明の母の術
こんな性格だからこんな行動をするという発想。

・狙い球はストレートの術
キャラクターの特徴を最初にひとつだけ考えましょう。

・芸能人にたとえると?の術
具体的な俳優をイメージして書いてみる。

・ブー・フー・ウーの術
キャラクターのイメージ通りの印象的な名前を考えてください。

・秀吉は猿、内蔵助は昼行灯の術
ぜひ登場人物のあだ名を考えてみてください。

・リボンをかけてラッピングの術
どこに住んでいるかで、キャラクターがよりきわ立つ。

・木を目立たせるなら砂漠に!の術
主人公→その人の生活のあらゆる場面を描くつもりで。

・お巡りさんとエロ本の術
主人公のの秘密の部分を描くと、観客や視聴者は、誰も知らない自分だけが知っている気分になります。

・いい人だから、さようならの術
シナリオを書く時に、フラれる人物を、いい人に描いてみてください。


2. 〈展開力〉をつける講座

・人の不幸は蜜の味の術
困ったちゃん」に困らせられる主人公が見たい!

・止めて美味しいおでんの術
ストーリーを止めて、ドラマ(葛藤)を描くと「面白く」なる。

・トンとツーだけ モールス信号の術
葛藤は「マヨ」「イラ」2つのタイプだけ。

星一徹のちゃぶ台の術
まとまりそうになったら何度も葛藤させる。

・つばなれに気をつけろの術
柱を少なくして、ひとつのシーンをじっくり描いてみよう。

・走る列車に飛び乗れの術
いきなり事件から初めていいのです。

・どこを切っても金太郎!の術
主人公がどう変化するのかで起と転をつくるのです。

ウィニングラン&お立ち台の術
「結」はオチではなく余韻です。


3. 〈シーン〉と〈セリフ〉を磨く講座

・ピタ!ポト!ガシャーン 三段活用の術
止める、ピタ
落とすポト
割れる、ガシャーン!です。


・山椒は小粒でもピリリの術
回想シーンは小道具で表現してみます。

・鼻から西瓜を出すの術
「ありえないこと」は背景や状況・小道具の工夫でつくってください。

・ボーッでもスーッの術
ボーッとしてても浮かんでくる映像をつくってください。

・カレーにチョコレートの術
の描写をプラスすると映像が浮かびやすくなる!

・各駅停車ぶらり途中下車の術
カットバック法を使うことで、どんなシーンを挟めば、より効果的か、いろいろ考えることができます。

・ホルモン焼きでパワーアップの術
シーンを削ろうと思うのではなく、そのシーンを、もっと面白くできないかな、と考えてください。

・ご当地ならでは人気駅弁の術
普通に誰もがいいそうな幕の内弁当なセリフを、そのセリフを言う人物ならではのものにしてみます。

・スカートは短いほうがいい?の術
セリフは一行のやりとりで、うまくなる。

・閻魔さま大忙しの術
本音や本心とは裏腹なセリフをどんどん言わせましょう。

・人魚姫の「好き」を伝えるの術
たまにはセリフなしのシナリオを書いてみる。


4. 発想を刺激するヒント

天橋立股のぞきの術
男・女、年齢、立場など設定を逆転させた発想をしてみましょう。

・日本生まれのナポリタンの術
どんなイメージを伝えるか、がポイントなのです。

・ママは母上、トイレは厠の術
現代の物語を書いてから、時代劇にしてみるのです。



【10分でわかる】

・イントロダクション
楽しく書くのが一番です。欠点を指摘したり弱点を直していくやり方では、書いていて楽しくありません。
欠点や弱点のないシナリオにはなりますが、欠点や弱点のないシナリオが面白いシナリオではないからです。


1. キャラクター養成講座

・嘘つきは達人の始まりの術
「そんな人いない」があなたのシナリオを面白くします。
「いそうにない人」はフツーの人のクセやこだわりを極端化して。

・人の弱みにつけこんじゃえの術
「ああ、自分も同じところがあるなあ」と感情移入してくれるのです。
「自分と同じ」弱い性格で感情移入しやすくさせる。

・怠け者は発明の母の術
「ある人がリモコンを発明する」と描くのと「怠け者がリモコンを発明する」と描くのとでは、受けるイメージが全然違う。
こんな性格だからこんな行動をするという発想。


・狙い球はストレートの術
最初にひとつだけ考えて、それを出発点にすると、考えれば考えるほどキャラクターのイメージが強くなってきて、シナリオになった時も観客や視聴者に伝わりやすくなっています。

・芸能人にたとえると?の術
イメージキャストから主人公のキャラクターを考える。これは超オススメの方法です。
具体的な俳優をイメージして書いてみる。

・ブー・フー・ウーの術
イージーに名前を考えていませんか?
登場人物のキャラクターと結びつけて、キャラクターのイメージ通りの印象的な名前を考えてください。

・秀吉は猿、内蔵助は昼行灯の術
ぜひ登場人物のあだ名を考えてみてください。キャラクターが鮮明になります。

・リボンをかけてラッピングの術
どこに住んでいるかで、キャラクターがよりきわ立つ。
住んでいる場所→セリフ・行動→個性。

・木を目立たせるなら砂漠に!の術
主人公→その人の生活のあらゆる場面を描くつもりで。

・お巡りさんとエロ本の術
主人公のの秘密の部分を描くと、観客や視聴者は、誰も知らない自分だけが知っている気分になります。
ストーリーに関係なくても「主人公が一人」のシーンを。

・いい人だから、さようならの術
シナリオを書く時に、フラれる人物を、いい人に描いてみてください。
「いい人」が困るように設定するのです。


2. 〈展開力〉をつける講座

・人の不幸は蜜の味の術
「困ったちゃん」に困らせられる主人公が見たい!
人の話を聞いて笑ったり泣いたりしたい時は成功した話より断然、失敗談のほうが聞きたいような気がします。

・止めて美味しいおでんの術
ストーリーを止めて、ドラマ(葛藤)を描くと「面白く」なる。
え? じゃあ、どうなるんだろう? と引きこまれます。

・トンとツーだけ モールス信号の術
葛藤は「マヨ」「イラ」2つのタイプだけ。

星一徹のちゃぶ台の術
最後の最後まで、何度でもひっくり返して葛藤させよう!
まとまりそうになったら何度も葛藤させる。

・つばなれに気をつけろの術
柱を少なくして、ひとつのシーンをじっくり描いてみよう。

・走る列車に飛び乗れの術
すでに走りだした列車にプラットホームを走って飛び乗る感じです。
「よく分からない」「分かりにくい」と言われることを怖れすぎていませんか?
いきなり事件から初めていいのです。

・どこを切っても金太郎!の術
主人公が最後にどう変化するのかを考えてみます。そうすれば起と転の変化をつくることができます。あとは、その間の承で、どう葛藤させるか考えればいいのです。

ウィニングラン&お立ち台の術
ストーリーの後のラストシーンに、とどめの一撃で余韻を描く、起承転結の「結」。
「結」はオチではなく余韻です。


3. 〈シーン〉と〈セリフ〉を磨く講座

・ピタ!ポト!ガシャーン 三段活用の術
何かの動作を止める、ピタ!
これをポト!にすれば、より感情は大きくなります。
さらにさらに感情を大きくしようと思ったら、ガシャーン!です。落としたものが割れるのです。
小道具で感情や気持ちを表現しましょう。

・山椒は小粒でもピリリの術
小道具を使うと個性が出ます。基本を押さえれば個性が発揮しやすくなります。
回想シーンを安易に使わないで、小道具を使って表現できないか、考えてみてください。

・鼻からすいかを出すの術
ありえないこと、実際にはない小道具で印象的に!
「ありえないこと」は背景や状況・小道具の工夫でつくってください。

・ボーッでもスーッの術
ボーッと聞いていても映像が浮かんでくるときは、すごく面白い!というわけではなくても、あまり退屈はしていないはずです。
電話のシーンで映像が浮かぶように書けるようになったら、セリフのやりとりのシーンも、お茶の子さいさいです。

・カレーにチョコレートの術
音の描写をプラスすると映像が浮かびやすくなる!
オーディオドラマを学んでみましょう。

・各駅停車ぶらり途中下車の術
カットバック法を使うことで、どんなシーンを挟めば、より効果的か、いろいろ考えることができます。

・ホルモン焼きでパワーアップの術
「必要ない」シーンはかえって葛藤(ドラマ)を描きやすい。
シーンを削ろうと思うのではなく、そのシーンを、もっと面白くできないかな、と考えてください。
必要か不要かではなく面白いか面白くないかで。

・ご当地ならでは人気駅弁の術
その人ならではのセリフ・口癖を考える。
普通に誰もがいいそうな幕の内弁当なセリフを、そのセリフを言う人物ならではのものにしてみます。
あとで、ひとりの人物のセリフだけを見ていくのです。

・スカートは短いほうがいい?の術
セリフは一行のやりとりで、うまくなる。
一行のセリフの割合で、テンポがわかります。

・閻魔さま大忙しの術
3種類のセリフで、泣かせる、笑わせる!
セリフの機能には、「人物の真理や感情を表す」、「ストーリーを進展させる」、「事実を知らせる」の三つがあります。
本音や本心とは裏腹なセリフをどんどん言わせましょう。
事実とは違う嘘を言わせて見ましょう。

・人魚姫の「好き」を伝えるの術
たまにはセリフなしのシナリオを書いてみる。
チャップリンの『街の灯』
リュック・ベッソンの『最後の戦い』
ファイト・ヘルマーの『TUVALU』
フランスの『ベルヴィル・ランデブー



4. 発想を刺激するヒント

天橋立股のぞきの術
平凡でありきたりな発想も、股のぞきして天地逆転すれば、まったく新しい斬新なアイデアに早変わりというわけです。
男・女、年齢、立場など設定を逆転させた発想をしてみましょう。

・日本生まれのナポリタンの術
題名はシナリオを書き始める前に書いてしまう。
一番のコツは、あまりシナリオの具体的な内容に合わせようとしないことです。どんなイメージを伝えるか、がポイントなのです。
太陽にほえろ!』など。

・ママは母上、トイレは厠の術
発想を自由にするために時代を後で置かえたりしてみる。
現代の物語を書いてから、時代劇にしてみるのです。最初から時代劇で考えようとするから眉間にしわが寄り、なかなか浮かばなかったりするのです。



【60分で理解する】
 
・イントロダクション
同じアホなら踊らにゃ損々!の術。
楽しく書くのが一番です。欠点を指摘したり弱点を直していくやり方では、書いていて楽しくありません。
欠点や弱点のないシナリオにはなりますが、欠点や弱点のないシナリオが面白いシナリオではないからです。
踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損損は、シナリオについてもいえるのです。



1. キャラクター養成講座

・嘘つきは達人の始まりの術
「そんな人いない」があなたのシナリオを面白くする、キャラクターづくりの発想法。
実際にいる人の特徴を極端にしてみてください。そんな人なら、どんな行動をしたり、どんなことを言ったりするかな、と考えてみてください。
「いそうにない人」はフツーの人のクセやこだわりを極端化して。

・人の弱みにつけこんじゃえの術
「自分と同じダメなところ」を持たせると、感情移入できる、「共通性」への近道。
主人公の、性格的な弱いところダメなところをイメージして描いてください。
「ああ、自分も同じところがあるなあ」と感情移入してくれるのです。
これで葛藤がつくりやすくもなります。
「自分と同じ」弱い性格で感情移入しやすくさせる。

・怠け者は発明の母の術
性格による動機づけで感情移入できるシナリオになる。
「ある人がリモコンを発明する」と描くのと「怠け者がリモコンを発明する」と描くのとでは、受けるイメージが全然違う。
こんな性格だからこんな行動をするという発想。


・狙い球はストレートの術
キーワードは「ひとつだけ!」、一点にしぼってキャラクターを考えよう。
最初にひとつだけ考えて、それを出発点にすると、考えれば考えるほどキャラクターのイメージが強くなってきて、シナリオになった時も観客や視聴者に伝わりやすくなっています。
キャラクターの特徴をひとつに絞って考える。

・芸能人にたとえると?の術
イメージキャストから主人公のキャラクターを考える。これは超オススメの方法です。
具体的な俳優をイメージして書いてみる。

・ブー・フー・ウーの術
イメージ通りの名前で、キャラクターが生き生きと描ける、キャラクターの名前。
イージーに名前を考えていませんか?
登場人物のキャラクターと結びつけて、キャラクターのイメージ通りの印象的な名前を考えてください。
登場人物の名前をしっかりと決めることです。

・秀吉は猿、内蔵助は昼行灯の術
呼び方・呼ばれ方で、キャラクターや人間関係が伝わりやすくなる。
ぜひ登場人物のあだ名を考えてみてください。キャラクターが鮮明になります。
三角法と言うのは、父親を「公助」と呼ぶような子がいたとして、その二人が一緒に歩いていて担任の先生と和えば、「父です」とか「オヤジです」と紹介します。このように呼ぶ人物と呼ばれる人物という当事者だけでなく、そこに誰か第三の人物をぶつけることで人物関係が伝わりやすく描けます。これを三角法といいます。

・リボンをかけてラッピングの術
どこに住んでいるかで、キャラクターがよりきわ立つ。
住んでいる場所→セリフ・行動→個性。

・木を目立たせるなら砂漠に!の術
主人公だけをラウンドキャラクターにして、感情移入しやすく!
主人公→その人の生活のあらゆる場面を描くつもりで。

・お巡りさんとエロ本の術
「私(視聴者)だけが知っている」主人公の秘密を描くには。
主人公のの秘密の部分を描くと、観客や視聴者は、誰も知らない自分だけが知っている気分になります。
ストーリーに関係なくても「主人公が一人」のシーンを。

・いい人だから、さようならの術
いい人を活用して葛藤をつくる、葛藤させるためのヒント。
シナリオを書く時に、フラれる人物を、いい人に描いてみてください。
フラれる人物がいい人でないパターンの場合は、離れられない設定を強く作るか、あるいは、主人公が新しい恋人の元へ走ろうとするのを阻止する壁(たとえば身分の差など)を高く設定するなど、主人公が葛藤するようになる工夫を忘れないようにして下さい。
「いい人」が困るように設定するのです。



2. 〈展開力〉をつける講座

・人の不幸は蜜の味の術
「困ったちゃん」に困らせられる主人公が見たい!
人の話を聞いて笑ったり泣いたりしたい時は成功した話より断然、失敗談のほうが聞きたいような気がします。

・止めて美味しいおでんの術
ストーリーを止めて、ドラマ(葛藤)を描くと「面白く」なる。
主人公が笑えることをしました、だけだと、お笑いネタ。主人公が何かをしようとしたけど、邪魔が入ってうまくいかなくなる、でも、それを乗り越え何とかしようとする、うまくいきかけたら、また邪魔が入ってと、目的に向かう主人公に障害物をぶつけ右往左往させるとコメディになるわけです。
え? じゃあ、どうなるんだろう? と引きこまれます。
ストーリーを止めて葛藤させる。

・トンとツーだけ モールス信号の術
2つのタイプの葛藤で、ストーリーではないドラマが描ける。
マヨ・タイプとイラ・タイプを比べると、観客や視聴者はマヨ・タイプのほうがより深く感情移入し、イラ・タイプの方が浅くなります。コメディの場合は、あまり主人公に深く感情移入しすぎてしまうと笑えなくなってしまうためです。
葛藤は「マヨ」「イラ」2つのタイプだけ。

星一徹のちゃぶ台の術
最後の最後まで、何度でもひっくり返して葛藤させよう!
「うまくなくていい、自分の書きたいものを書いてほしい」とは、何かどこかで見たことがあるようなシナリオが多い、ということです。
まとまりそうになったら何度も葛藤させる。

・つばなれに気をつけろの術
柱を少なくして、ひとつのシーンをじっくり描いてみよう。
落語の世界では、お客さんが十人超えることを「つばなれ」というそうです。ひとつ、ふたつ・・・・・・ここのつ。と「つ」がついていたのが十になると「つ」がつかなくなるからです。
柱ひとつで書く大変さは、いくつかの柱を立てて書いている時と変わらないはずなのです。ただ、柱を立てて場所を移動させているとごまかされているだけにすぎません。
特に、どんどん柱が変わっていくことが店舗があると勘違いしている方がいますが、本当は場所が変わらなくても事件を起こしたり人物を出入りさせたりして、主人公にリアクションさせ、ドラマを起こしていくことでテンポを生み出していけるはずなのです。

・走る列車に飛び乗れの術
もうすでにドラマは始まっている!もうひとつ先から描いてみる、起承転結の「起」。
イメージとしては、駅のプラットホームに停まっている列車に乗りこみ、席について待っていると発車のベルが鳴って列車が動き出す、のではなく、すでに走りだした列車にプラットホームを走って飛び乗る感じです。
「よく分からない」「分かりにくい」と言われることを怖れすぎていませんか?
キャラクターの習慣だけを描くのでもいいのです。考えてはいるけれども、あえて描いていないということです。
いきなり事件から初めていいのです。

・どこを切っても金太郎!の術
どこを切っても起承転結。だから「面白い」。
主人公が最後にどう変化するのかを考えてみます。そうすれば起と転の変化をつくることができます。あとは、その間の承で、どう葛藤させるか考えればいいのです。

ウィニングラン&お立ち台の術
ストーリーの後のラストシーンに、とどめの一撃で余韻を描く、起承転結の「結」。
オチではなく、テーマの定着であり余韻です。
「シーン尻をト書きで締める」という話をすることがあります。
「結」はオチではなく余韻。



3. 〈シーン〉と〈セリフ〉を磨く講座

・ピタ!ポト!ガシャーン 三段活用の術
感情を映像として描写するための小道具。
何かの動作を止める、ピタ!
これをポト!にすれば、より感情は大きくなります。
さらにさらに感情を大きくしようと思ったら、ガシャーン!です。落としたものが割れるのです。
人物の感情がダイレクトに伝わってきます。ハッとして見つめる、や「!」より、どんな気持ちなのかが、目に見えるものとして描かれます。なので、どんな気持ちなのかな、と頭で考えなくても目から直に伝わってくるのです。
まず、一番手っ取り早いのが小道具を考えること。
小道具で感情や気持ちを表現しましょう。

・山椒は小粒でもピリリの術
小道具を上手に使いこなすための発想法。
小道具を使うと個性が出ます。基本を押さえれば個性が発揮しやすくなります。その代表選手が小道具です。
回想シーンを安易に使わないで、小道具を使って表現できないか、考えてみてください。
過去は小道具で表現できます。

・鼻からすいかを出すの術
ありえないこと、実際にはない小道具で印象的に!
「ありえないこと」は背景や状況・小道具の工夫でつくってください。

・ボーッでもスーッの術
ボーッと聞いていても映像が浮かぶシーンを描くには。
「創造力を批判力が上回ると物凄いブレーキがかかって書けなくなる」
ボーッと聞いていても映像が浮かんでくるときは、すごく面白い!というわけではなくても、あまり退屈はしていないはずです。逆に、聞いていて退屈だったり、さらに睡魔に襲われるような時は、映像が浮かんできていないと思います。
電話のシーンで映像が浮かぶように書けるようになったら、セリフのやりとりのシーンも、お茶の子さいさいです。

・カレーにチョコレートの術
音の描写をプラスすると映像が浮かびやすくなる!
音楽ではなく、たとえばシーンと静まり返っていることを表すために時計の秒針の音がコチコチと聞こえてくるというような、その場で実際に聞こえている音を描写するのです。
実は、音を感じさせると映像が浮かびやすくなるのです。
オーディオドラマを学んでみましょう。

・各駅停車ぶらり途中下車の術
回想やナレーションや☓☓☓をできるだけ使わずに。
カットバック法を使うことで、どんなシーンを挟めば、より効果的か、いろいろ考えることができます。
最も甘いシーンと最もシビアなシーンを交互にカットバックで出して組み合わせることもできます。
時間経過は☓☓☓より違うシーンをはさみ込みましょう。

・ホルモン焼きでパワーアップの術
「必要ない」シーンはかえって葛藤(ドラマ)を描きやすい。
シーンを削ろうと思うのではなく、そのシーンを、もっと面白くできないかな、と考えてください。
ストーリーとして何の進展もないところだからこそ、葛藤(ドラマ)が生まれるのです。
必要か不要かではなく面白いか面白くないかで。

・ご当地ならでは人気駅弁の術
その人ならではのセリフ・口癖を考える。
普通に誰もがいいそうな幕の内弁当なセリフを、そのセリフを言う人物ならではのものにしてみます。
あとで、ひとりの人物のセリフだけを見ていくのです。

・スカートは短いほうがいい?の術
セリフは一行のやりとりで、うまくなる。
一行のセリフの割合で、テンポがわかります。

・閻魔さま大忙しの術
3種類のセリフで、泣かせる、笑わせる!
「セリフは嘘つきです」
セリフの機能には、「人物の真理や感情を表す」、「ストーリーを進展させる」、「事実を知らせる」の三つがあります。
本音や本心とは裏腹なセリフをどんどん言わせましょう。
事実とは違う嘘を言わせて見ましょう。

・人魚姫の「好き」を伝えるの術
たまにはセリフなしのシナリオを書いてみる。
トーキー以前では、映像でいかに表現するか苦心していました。どうしても必要なとき意外はセリフにけっして頼ってはならないというのが映画の鉄則だとヒッチコックは言っています。
スピルバーグは、映画の音声を消して映像だけで、いかに表現されているかを観ると勉強になると言っています。
チャップリンの『街の灯』
リュック・ベッソンの『最後の戦い』
ファイト・ヘルマーの『TUVALU』
フランスの『ベルヴィル・ランデブー



4. 発想を刺激するヒント

天橋立股のぞきの術
斬新な発想とアイデアのコツは天地逆転。
平凡でありきたりな発想も、股のぞきして天地逆転すれば、まったく新しい斬新なアイデアに早変わりというわけです。
自分のフタを外してあげて個性を引き出せば、今までにない新鮮な発想が生まれるはずなのです。
もし、才能なるものが具体的にあるとしたら、そのひとつは、この個性なのではないかと私は思います。
だとしたら、みんな才能は持っているわけです。あとはそれを、どうやって引き出していくか、だけです。
男・女、年齢、立場など設定を逆転させた発想をしてみましょう。

・日本生まれのナポリタンの術
題名はシナリオを書き始める前に書いてしまう。
一番のコツは、あまりシナリオの具体的な内容に合わせようとしないことです。どんなイメージを伝えるか、がポイントなのです。
太陽にほえろ!』など。
言葉の意味、響きなど。

・ママは母上、トイレは厠の術
発想を自由にするために時代を後で置かえたりしてみる。
現代の物語を書いてから、時代劇にしてみるのです。最初から時代劇で考えようとすると眉間にしわが寄り、なかなか浮かばなかったりするからです。
あまり詳しく調べてしまうと、知り得た知識に縛られて、かえって書けなくなってしまいます。ちょっとぐらい分からないことは想像で描いちゃって大丈夫です。
時代設定→大胆に、自由にです。



【書評】
欠点や弱点を見つけて直していくより、それをもっと面白くするにはどうするかを考えよう、というのが心に残った。
確かに、シナリオでも小説でも、面白いものとはぶっ飛んだものである。
決して改善の積み重ねによって到達する、美しい何か、とは違う気がする。
それは「起業家精神」とも通ずるところがあった。逆転の発想によっておもしろくするのはイノベーションも同じだからだ。
面白い、というのは原理として、その逆転の発想が組み込まれたものなのかもしれない。